最近の論文発表

少し更新が滞っていましたが、昨年度からいくつか論文を発表しました。
前回のポスト以降の分を紹介します。

Bull. Chem. Soc. Japanにテトラキス(ターフェニル)エテンを基盤としたテトラカルボン酸誘導体を合成し大きなチャネル開口部を有するHOFを構築したことを報告しました。
An Expanded Hydrogen-bonded Organic Framework Formed by A Tetrakis(terphenyl)ethene Derivative

CrystEngCommにメチオニルアラニンの保護体の単結晶が二酸化炭素に対して選択的に吸着を示すことを発表しました。
Thermal Fluctuation-induced Selective CO2 Uptake of Seemingly Nonporous N,C-Protected Dipeptide Crystals as Elucidated by in situ X-ray Crystallographic Analysis
CO2の吸着状態も単結晶X線構造解析によって明らかにし、その吸着状態における二酸化炭素とホスト分子との分子間相互作用の内訳も計算しました。個人的には、実験ももちろんですが理論計算の勉強をかなりできた論文でした。

Angew. Chem. Int. Ed.に光応答性の水素結合性ネットワークについて発表しました。
Photo-responsive Hydrogen-Bonded Molecular Networks Capable of Retaining Crystalline Periodicity after Isomerization
以前の報告の発展版です。光照射によってジメチルジヒドロピレン誘導体の開環体と閉環体との異性化反応を結晶中で可能にしたものです。

熱測定誌に相図の構築と結晶化による光学分割への適用に関する解説論文が受理されました。
キラル化合物の融点相図の作成と結晶化による光学分割への適用
また公開され次第、更新します。