フランスで博士課程を修了したのち、ベルギーでポスドクをすることになりました。ビザ申請はいろいろありましたが,最終的にはパリのベルギー大使館(凱旋門のすぐそば)で申請して,即日その場で発行,受け取りまでできました.(2020年1月)研究者とその配偶者の長期滞在ビザ(D visa)の申請についてメモを残しておきます。日本で申請する場合は,ただちに、大使館にメールして必要書類リストをもらって、警察で無犯罪証明書の申請をしてください。
申請の流れ(大使館のページ)
0.必要書類を大使館へ問い合わせ
1.オンラインでの申請書作成
2.書類提出のアポ取る
3.ベルギー国外の大使館で必要書類の提出
4.受け取り(代理人や郵送受け取りも可)
0.必要書類リスト
大使館のページを見ると必要書類のリストがあるように見えますが、ありません(?)。とりあえずメールです。数日以内に返信があるはずです。(私の場合は即日でした。)
1.オンラインでの申請書作成
必要書類のリストがメールで届くのですが、申請書はVOWシステムで作成し、提出、後日同じものの印刷版を提出という流れです。申請書の書き方の見本は,メールで送られてくる必要書類のリストの中にあります。
2.書類提出のアポ
オンラインで申請書を提出したら、紙媒体の必要書類の提出のアポイントメントがとれます。必要書類が集まるのを見越して予約しましょう。パリのベルギー大使館の場合は,紙媒体の提出をしなくても,アポイントメントが取れます.
3.大使館での書類提出
パリの大使館では,入口で書類をクリアファイルに入れて提出して,職員の方と窓口で確認したのち手数料(私の分は0€,家族同行ビザは180€)を支払いました.
11:10に予約をしておりましたが,10:20頃に到着したので中で待ってました.結局,呼ばれたのは12:00を過ぎてからでしたが,どうやらビザのシステム最近変わって(?)以来,家族同行ビザの発行が初めてだったらしく,作業の確認に時間がかかっていたそうです.
書類はコピーのみ提出したのですが,提出したものだけ確認してました.(本来は原本の確認もあるはずです…?)
その後,指紋の登録,ビザ用の写真撮影がありました.
4.受け取り
パリの大使館では,その場で即発行されました.(パスポートにシールのビザが貼付されます).
最終的には12:50ごろに全て終わって,大使館から解放されました.(カバン持ち込みがダメだったので,水飲むのもめんどくさかった)
5.安全にベルギー生活を楽しむ。
必要書類リスト
東京かパリのどちらで申請するか悩んでいたので、どちらにも必要書類リストを問い合わせました。東京の方からは細かい説明が送られてきましたが、パリからは「全部ウェブサイト書いてあるから見ろ」ときました。(くっそわかりにくいし、結局完全なリストは書いてありませんでした。)東京からの案内には、パリから案内されたウェブサイトにはない書類もリストに含まれていました。また、東京からの案内も一部正確ではありませんでした。(フランスのビザ申請の方が楽だったし案内も正確だったなぁ) 最終的に,パリのベルギー大使館に提出した書類のリストが以下の通りです.日本からの案内だと,2部以上要求されるものもありましたが,どれも1部のみ提出しました.
研究者ビザ:
・申請書(証明写真45×35mmを張り付けたものを1部)
・パスポート(原本・コピー1部)
・フランスの滞在許可証(Titre de sejour)(コピーを1部.案内になかったけど、必要だと思ったので提出)
・Convention d’accueil(コピー1部)
・滞在期間中の収入を証明する書類(コピー1部)
・学位の証明書(コピー1部)
・無犯罪証明書(原本を1部.フランスのもののみ提出)
・健康診断書(コピーを1部)
・運営費の免除についてのレター(コピーを1部)
・現在の所属機関からの英文推薦状 (コピーを1部.東京からの案内のみだったが,準備したので提出)
・回答言語希望シート (コピーを1部.東京からの案内のみだったが,準備したので提出)
・戸籍謄本(コピーを1部.案内になかったけど、必要だと思ったので提出)
家族再会ビザ:
・申請書(証明写真45×35mmを張り付けたものを1部)
・パスポート(原本・コピー1部)
・フランスの滞在許可証(Titre de sejour)(コピーを1部.案内になかったけど、必要だと思ったので提出)
・結婚証明書として戸籍謄本(コピーを1部)
・配偶者のConvention d’accueil(コピー1部)
・配偶者の滞在期間中の収入を証明する書類(コピー1部)
・無犯罪証明書(原本を1部.フランスのもののみ提出)
・健康診断書(コピーを1部)
・運営費の振り込み証明書(コピーを1部.204€)
・回答言語希望シート (コピーを1部.東京からの案内のみだったが,準備したので提出)
・医療保険の証書(コピーを1部)
各書類について:
・Convention d’accueil
フランスのビザ申請にも必要でした.大学から発行されるのですが,たいてい時間がかかります.
2019年12月6日:ディフェンス
2019年12月10日:学位の証明書が発行された.スキャンをベルギーに送信した.
2020年1月15日:Convention d’accueil,収入を証明する書類,運営費の免除についてのレターがメールで届いた
2020年1月16日:原本が手元に届く
これはかなりはやく手続きをしてもらった方です.事前にビザ申請があることを先生に伝えて,学位の証明書をなるべく早く出せるように準備してもらったり,ベルギーの大学にも事前に連絡しておき,書類の発行に必要な書類を確認しました.
・滞在期間中の収入を証明する書類(コピー1部)
Convention d’accueilと同様にベルギーの大学から発行されました.内容は契約期間,手取り額,プロジェクト名が書いてありました.
・学位の証明書(コピー1部)
ディフェンスのあとにフランスの大学から発行されました.正式な学位記は半年後とかに送付されるようですが,この書類には「Ph.D.を授与する」という内容が記載されています.
・無犯罪証明書(原本を1部.フランスのもののみ提出)
日本国内でビザを申請する場合は,日本での無犯罪証明書も必要です.警察で発行してもらい,その後外務省でアポスティーユを付与してもらう必要があります.国外からの場合は在外日本大使館で発行申請できるようですが,2カ月くらいかかるようです.
フランスでの無犯罪証明書の申請は,インターネットでできます.’Demande d’extrait de casier judiciaire (bulletin n°3)’で検索をかければ司法省(Ministère de la Justice)のウェブサイトがひっかかると思うので,そのページから申請します.(気が向いたら,スクショ付きで詳しい申請方法をまとめます.)初回は7-10日程度でダウンロードできるようになるはずです.郵送での受け取りも可能ですが,ダウンロードしたものの印刷なのでメールで受け取るので十分だと思います.2回目以降の申請は15分くらいでダウンロードできるようになります.(国外にいても簡単に発行できるのはすばらしいですね.)また,EU圏の国へ提出する場合,フランスの無犯罪証明書にアポスティーユを付与する必要はありません.(一応,申請しましたが付与してもらえませんでした.)
・健康診断書(コピーを1部)
パリのCentre médical OPERAで発行してもらいました.対応してくれる病院のリストはベルギー大使館のウェブサイトに記載されています.フランス語なので,そのまま提出できます.費用は血液検査,胸部X線,問診で1人50€でした.日本国内だともっと高いんですよね?アポスティーユも付与しないといけないとかなんとか….
Centre médical OPERAの場合,ベルギービザ用の健康診断は予約が必要ありませんでした(2019年11月).とりあえず病院に行って,ビザ用の健康診断を受けたい旨を伝えると,血液検査と胸部X線の撮影があり,問診の予約をとって,その日はおしまいでした.私の場合は,2日後に各検査結果を受け取って(自分で検査した部屋に行って受け取るんです),問診してもらって,その場で書類がもらえます.
・戸籍謄本(コピーを1部.案内になかったけど、必要だと思ったので提出)
オリジナル(日本語)を本籍地で発行してもらい,外務省でアポスティーユを付与してもらいました.そのコピーをベルギーの法定翻訳家の方に送り,仏文翻訳してもらいました.費用はもう一つの方法より圧倒的に安く済みました.法定翻訳家のリストは在ベルギー日本大使館のウェブサイトに記載されてたので,直接コンタクトさせてもらいました.
またもう一つの方法として,オリジナルにアポスティーユを付与したものを,英文もしくは仏文に翻訳してもらい,その翻訳にもアポスティーユを付与するというものがあります.この場合,翻訳へのアポスティーユの付与は翻訳した本人が公証役場にて手続きをする必要がありますので,翻訳家の方が対応していただけるかどうかもポイントになります.
ベルギーの法定翻訳は,書類を裁判所とやり取りする必要があるようで,日本国内で対応していただける方は少ないと思います.現地在住の法定翻訳家の方にお願いするのが,費用も時間も手間も抑えられるかと思いますのでお勧めです.
・医療保険の証書(コピーを1部)
クレジットカードに付帯の海外旅行保険(3カ月)の証書を発行してもらい,使いました.カード会社によるのかもしれませんが,英文のものを発行してもらえると思います.私の場合は,フランスの医療保険もまだ加入してますし(滞在許可が2020年8月まであるので落ち着くまでは残しておく),ベルギーの医療保険に加入するので,無保険になることはありませんが,一応ビザ申請に必要なので準備しました.
以上,ベルギービザの申請についてのメモでした.(句読点の表記ゆれは気が向いたら直します.)